PCを毎日使う人にとっては、欠かせないアイテムなのがキーボード。
メンブレン式や、メカニカル式、静電容量無接点方式などの種類があり、日本語配列や英語配列など、さまざまな商品が販売されています。
その中でも、今回はKeychronというメーカーが販売している「Keychron K8」というメカニカル式のキーボードを購入してみました。
前々から気になっていたこともあり、せっかくなのでレビューしていきます。
レビュー観点は以下の3つを重点的に行いました。
- 実機の重さや大きさ
- 打鍵感、打鍵音(実際の音あり)
- カスタマイズのしやすさ
メカニカルキーボードの購入に悩んでいる方、Keychronの商品でどれを選ぶべきか悩んでいる方は、ぜひ購入の際の参考にしてみてください。
Contents
Keychron K8 のスペックレビュー
キー数 | 91キー |
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スイッチ | Gateron G Pro メカニカル |
フレーム素材 | RGB版:ABS+アルミニウムベゼル White LED版:プラスチックフレームとABSの底面 |
キーキャップ素材 | ABS |
キーキャッププロファイル | OEM |
レイアウト | JIS配列 |
Bluetoothバージョン | 5.1 |
バッテリー | 4000mAh充電式リチウムポリマーバッテリー |
システム | Window/Mad/Android/iOS |
寸法(アルミベゼルバージョン) | 359 x 127mm 高さ35mm(キーキャップフロント)/42mm(キーキャップリア) |
重量 | 約887g |
キーレイアウトは、JIS(日本語)配列になっています。日本のオフィスや学校、広く普及されている配列であるため、馴染みのある方が多いかと思います。
TKL(テンキーレス)で、フルサイズキーボードよりもコンパクトなデザインになっています。
JIS配列は、半角/全角の切り替えや、無変換、変換ボタンが搭載されています。
キースイッチ(軸)はGateron G Pro メカニカルシリーズ
キースイッチ(軸)に関しては、Gateron G Pro メカニカルシリーズが基本モデルとなっています。
軸の種類に関しては、赤軸・茶軸・青軸の3種類が用意されています。後述に赤軸の打鍵音もありますので、ご参考になればと思います。
青軸 | 3つの種類の中でも最もクリック感が感じられる軸。押下圧も高く感じられ、クリックしたときの「カチャカチャ」という音が特徴です。 |
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赤軸 | 3つの種類の中でも最もキーが軽い軸。軽いタッチで入力ができるため、タイピングをしていて1番疲れないタイプです。「コトコト」という音が特徴です。 |
茶軸 | 上記2つのちょうど中間のような重さです。クリック感もありながら、青軸ほど音もうるさくなく、メカニカルキーボードのスタンダードな位置づけです。 |
タイピングが中心の方は赤軸、ゲーム中心の方は青軸、両方の良いとこどりが茶軸という選び方になるかと思います。
軸に関しては完全に好みになるため、実際に打鍵感を試してみていただきたいところです。最近では家電量販店でも、軸ごとに試し打ちできる店舗もあります。
キーキャップの素材はABS
キーキャップの素材はABSという合成樹脂で、多くのキーキャップデイ採用されている素材となります。
ABS樹脂(エービーエスじゅし)とは合成樹脂の一種で、アクリロニトリル (Acrylonitrile)、ブタジエン (Butadiene)、スチレン (Styrene)共重合合成樹脂の総称です。
表面がツルツルとしていて、「コトコト」よりも「カチャカチャ」というような打鍵音になります。
上図:左から、Keychron K8のキーキャップ(ABS素材)、PBT素材、ダブルショットABS、POM素材の比較になります。
「Keychron K8」は、Cherry MX互換のキーキャップ対応で、自由にカスタマイズすることが可能です。多くのキーキャップが使用できます。
バッテリー容量と、最大接続時間
また、バッテリーの種類に関しては、安全性が高いリチウムポリマーバッテリーを採用しています。
バッテリー容量は、4000mAhで、キーボードの中では多めのバッテリーが搭載されています。充電できる端子は、USB-C Typeとなっており、モバイルバッテリーでも充電が可能です。
1回の満充電すれば、バックライトオフの状態で、最大240時間接続が可能となっています。1日8時間作業したとしても、約1か月は持つ計算になります。
環境にもよりますが、バックライトを付けた場合は、最大68~72時間になるようです。(公式サイトより)
1~2週間で、1度の充電で済みます。
システム要件とWindows/Macキーボード配列切替
また、システムに関しても、Windows、MacOSだけでなく、AndroidやiOSにも対応しているため、タブレット端末にも接続が可能になっています。
WindowsとMacOSでは、キーボードの配列が異なるため、Keychronでは、それぞれのOS用のキーキャップが付属されています。
WindowsではCtrlキー、MacではControlキーと、キーボードの配列が異なります。
そのような場合は、側面にある物理スイッチでWindows/Macと切替が可能となっています。
内容物と付属品
- K8キーボード本体
- USB-A to USB Type-Cケーブル
- キーキャッププラー
- スイッチプラー(ホットスワップモデルのみ)
- ユーザーマニュアル
ホットスワップ対応モデルは、スイッチプラーが付属します。
スイッチプラーとは、キースイッチ(軸)を変更する際に、取り外しがしやすくなっている工具です。
キーキャッププラーは、キーキャップを取り外ししやすくなる工具となります。
これだけの付属品があれば、カスタマイズやメンテナンスにすぐ取り掛かれるでしょう。
ホットスワップ対応版と非対応版の見分け方
「Keychron K8」は、好きなキースイッチ(軸)にカスタマイズができるホットスワップ版と、ホットスワップ非対応の2つのモデルがあります。
ホットスワップ版の見分け方は、中央のキーキャップカラーがダークグレーになっているモデルがホットスワップ版になります。
反対に、中央のキーキャップカラーがライトグレーのモデルが、ホットスワップ非対応版になっています。
ホットスワップ非対応版の方が、価格が少し抑えられているため、カスタマイズを視野に入れていない方は、非対応版をおすすめします。
「Keychron」を制作しているのは、どこの国の会社?
2017 年に設立された Keychron は、PC 周辺機器市場では非常に新しい会社です。本社は香港にあり、フランスにもオフィスがあります。
「Kickstarter」というクラウドファンディングサイトで、大成功を収めたブランドです。
キーボード愛好家の間で人気が沸騰していて、 世界規模で販売しています。
Keychron は、2017 年に、キーボードの製造に豊富な経験を持つキーボード愛好家のグループによって設立されました。このグループは、デザイナー、マーケティング担当者、および制作の専門家で構成されています。公式サイトより
Keychronは、カスタマイズを前提とした設計で、ユーザーが自分の好みに合わせたタイピング感を自由にカスタムできるようにすることを目的としたキーボードです。
カスタムキーボードの入り口として、Keychronから始めてみるのは選択肢の1つとしておすすめです。
「Keychron K8」実機の打鍵感と打鍵音(Gateron G Pro メカニカル 赤軸)
「Keychron K8」のGateron G Pro メカニカル赤軸の打鍵感と打鍵音をレビューしていきます。
実際の音はこちら
Gateron G Pro のメカニカル赤軸は、適度になめらかで、カチャカチャというよりも、心地よい「コトコト」という音です。
個人的には、Cherryの赤軸に比べて、軽く感じられます。
加えて、アルミフレームであるため、変に打鍵音が反響せず、適度に抑えられています。キーボードの筐体がチープなプラスチック製だと、音が反響してしまい、不快に感じることがあります。
打鍵音は、キースイッチとキーキャップ、筐体(ケース)で変化するため、同じ軸でも違った音になることがあります。
さらに、キースイッチに潤滑油(ルブ)を施せば、静音化できますし、もっと滑らかな打鍵感にもなります。
Youtubeで調べると、Keychronの青軸や茶軸の打鍵音も聞けるので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
「Keychron K8」実機レビュー
重厚なアルミフレームと、シンプルなデザインのキーキャップ
グレーを基調とした配色に、デフォルトではオレンジのESCキーがワンポイントになっています。
アルミフレームは重厚でしっかりとしていて、打鍵音が反響しない設計になっていますね。
切替スイッチと、USB Type-C接続
側面からUSB Type-Cで充電、有線接続が可能。真ん中のスイッチは、Window/Mac切替スイッチになっています。
右側のスイッチは、Bluetoothモード、有線モード、OFFの切替スイッチになっています。
Bluetoothモードでは、一時的に入力がされない状態が続くと、自動でスリープになり、バッテリーの節約にも繋がります。
スリープからの復旧は、キーを押せばすぐに再接続されるため、不便さは感じませんでした。
さらに、Fnキーを押しながら、1~3キーでBluetoothの接続先もそれぞれ切り替えることができます。
バックライト(RGB)で実際に光っている様子
RGBについては、点滅したり、シンプルなLEDなど、15種類のパターンが用意されています。
個人的に好きなRGBパターンは、キーを押した瞬間に、そのキーのLEDが光るパターンです。
もちろん、LEDに関しては、OFFにもできます。
まとめ:ホットスワップ対応の貴重な日本語配列キーボード
見た目も高級感があり、タイピングもしやすく、複数の端末で切り替えて使用することも可能で、1万円台半ばで購入できるホットスワップ対応のキーボード。
「Keychron K8」の微妙なところ
- キーボードの手前側の高さは約2.4cmと結構な高さがあり、人によってはパームレストが必要
- Bluetoothの接続が途切れるときがある
- キーボード初心者には少し高めの価格設定
- キーキャップが若干安っぽい
Bluetoothの接続に関しては、一概に送信側だけでなく、受信側の問題も含まれているため、環境にもよります。
「Keychron K8」の良いところ
- シンプルでミニマルなデザイン
- Bluetooth接続では、複数の端末を切り替えて使用できる
- ホットスワップ対応(キースイッチ変更可)
- RGB対応(15パターン)
- 滑らかな打鍵感と心地よい打鍵音
- メーカー公式でキーボードのファームウェアアップデートがある
- Windows/Mac/Android/iOS 幅広いOS対応
「Keychron K8」は、キーボードマニアから、初心者まで、あらゆるニーズに対応した万能なキーボードと言えます。
価格は、通常のキーボードに比べると高めの価格設定ですが、ゲームにもタイピングにも幅広く対応できます。
WASDや、よく使うキーだけ青軸にしたり、キーキャップを変えてみたり、好きなカスタマイズが可能です。
多少コストがかかっても、メインキーボードとして使用されている方が多いのも頷けます。